今を生き抜くビジネス書

王道のビジネス書から新刊のビジネス書まで!仕事に役立つ幅広いビジ本をご紹介するアレ

【レビュー】最高のコーチは、教えない。 著者 吉井 理人

吉井 理人 最高のコーチは教えない。

最近では、馬主としても話題。NPBMLBプロ野球を7球団を渡り歩き、様々な球団内部を知る右腕が語る。ニューヨークメッツ時代のピッチングコーチ アポダカと出会いが大きなターニングポイントに・・・

著者 吉井 理人のこの本は、こんな人におすすめ

部下を持つ上司、コーチ、父親、母親、人に何かを伝える人必見

著者情報

吉井 理人(よしい まさと)

現職
現在は千葉ロッテマリーンズ一軍投手コーチ。JRA馬主
経歴
和歌山県有田郡吉備町出身の元プロ野球選手(投手)
1983年ドラフトで近鉄バファローズから2位指名でプロ野球入り
近鉄(NPB)1983-1994→ヤクルト(NPB)1995-1997→メッツ(MLB)1998-1999→ロッキーズ(MLB)2000-2000→エクスポズ(MLB)2001-2002→オリックス(NPB)2003-2007→ロッテ(NPB)2007-2007で現役引退
引退後、日本ハムコーチ→野球解説者→ソフトバンクコーチ→日本ハムコーチを歴任
この本の目次

第1章 なぜ、コーチが「教えて」はいけないのか

相手と自分の経験・常識・感覚がまったく違う

-「上から力ずく」のコミュニケーションがモチベーションを奪う
-「余計なひと言」が集中力を奪う
-「悪いアドバイス」がパフォーマンスを低下させる

第2章 コーチングの基本理論

主体は選手。個が伸びれば組織は強くなる

-「初心者(新人)」は、まず指導行動で技術を鍛える
-「中級者(若手)」は、モチベーションをケアしつつ、技術的な課題もサポートする
-「上級者(一流・エース)」は、寄り添いつつ信頼関係を維持する

第3章 コーチングを実践する

コーチング三つの基礎「観察」・「質問」・「代行」

-一対一で振り返りミーティングを行う
-相手の強みを知り、強みを伸ばす
-成長のために、自ら課題を設定させる

第4章 最高の結果を出すコーチの9つのルール

-ルール1 最高の能力を発揮できるコンディションをつくる
-ルール2 感情をコントロールし、態度に表さない
-ルール3 周りが見ていることを自覚させる

吉井理人の最高のコーチは教えない。ターニングポイント

ニューヨークメッツ アポダカコーチの言葉

「おまえ以上におまえのことを知っているのは、このチームにはいない。 だから、おまえのピッチングについて、俺に教えてくれ。 そのうえで、どうしていくのがベストの選択かは、話し合いながら決めていこう」

レビュー&口コミ 最高のコーチは教えない。

この本のGODレビュー&口コミ

★5
プロフェッショナルなプレイヤーを育てる、という観点での良書。
プログラマーを教育していこうと思う立場として、似たような性質を持つと感じていたプロ野球の投手コーチの観点が役に立つと判断して読んだ。
学ぶことをやめたら技術者は降りるべきと考えてはいたが、コーチとしても学び続ける必要があるとは、薄々感じてはいてもこうハッキリと示されるとは。
著者の経験に基づく具体的な内容も示唆に富んでいるし、育成行動指導行動とそのフェーズ、観察質問代行のような体系的な枠組みに付して語られるので、理解しやすい。
ただ、本書では言語化固執しすぎていて非言語の安定的思考と表現の可能性を捨象していること、現在の若者に多いネガティブな思考への対応に苦慮していることがあるので、関心領域によっては役に立たないかもしれない。
前者は行動心理学的なコーチングで挙げられている強化等の方法論、後者は折れないリーダーの仕事などの戦力回復の視点で補えるのではないかと考えてはいるが、本書はまた新しく有用な視点を提供してくれた。


★5
本書は野球のコーチや管理職向けというだけではなく、人との関わり方を考え直したいと考えている方にもオススメの一冊だ。
観察・質問・代行の3つを軸に選手との関わり方を見つめ直し、個性を最大限伸ばしていくことを目的としている。
今まで当たり前とされていた上司が部下に命令するといった古い関わり方ではなく、部下が自分で考え成長できるよう支え見守るといったこれからの時代に必要なスキルが満載だ。

もっとレビューを見る

この本のBADレビュー&口コミ

まだBADレビューがありません

本のカバー

単行本: 279ページ
出版社: ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:2018/11/15

最高のコーチは、教えない。

著者 吉井 理人 他の本もチェックしてみる
-吉井理人 コーチング論: 教えないから若手が育つ
-投手論
-プロ野球VSメジャーリーグ 戦いの作法
・・・ets